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噛み合わせが悪くても部分矯正できる?
歯並びが悪くて噛み合わせも悪い、でも前歯だけ治したい・・・。このようにお思いの方も多いのではないでしょうか。矯正治療は歯並びの悪さだけでなく、噛み合わせの乱れを治すことが目的です。では噛み合わせが悪いと感じていても、気になる部分だけを治すことはできるのでしょうか。
身近になってきた矯正治療
矯正治療をしたいと思う方の多くは、見た目の悪さでしょう。見た目の悪さとは、歯並びがガタガタと乱れている、前歯が出ている出っ歯、受け口、八重歯などが当てはまると思います。このような口元は、笑顔に自信を持つことができず、思いっきり笑うことが憚られることでしょう。こういった口元のコンプレックスを解消するのが矯正治療です。
最近ではワイヤー矯正やインビザラインだけでなく、SNSなどを通じて低価格を特徴とした色々なスタイルの矯正治療が宣伝されているのを目にしたことがあるのではないでしょうか。こういった宣伝効果もあり、矯正治療が身近に感じられるようになって矯正治療を希望する方が増えてきています。
特に前歯の歯並びの乱れは相手に与える印象が大きく、コンプレックスに感じるため「前歯だけでも治したい!」と感じられることと思います。中には自宅で簡単に前歯だけを治すキットのような装置も宣伝されており、気軽に簡単に前歯の乱れを治すことができるように感じてしまうでしょう。
確かに気になる部分だけを治す部分矯正は、全体矯正と比べて費用も治療期間もグッと抑えることができることから、部分矯正の人気そのものが高まっています。
しかし本来なら合っていない噛み合わせを治す必要があるにもかかわらず、とりあえず気になる前歯だけを治すことは可能なのでしょうか。
噛み合わせが合っていないことで起こる影響とは?
歯並びが悪いことは気になっても、噛み合わせの悪さはさほど気にならない人も多いのではないでしょうか。噛み合わせはお口の中だけでなく、体の健康を維持するためにとても重要な役割を持っています。しかし噛み合わせが悪いまま過ごしてしまうと、様々な悪影響を受けてしまいます。では噛み合わせが悪いことで、いったいどのような悪影響を受けてしまうのでしょうか。
・顎関節症
・頭痛、肩凝り
・咀嚼しにくい
・口元や顔の歪み
・めまい、耳鳴り
・歯周病
このように、噛み合わせが合っていないことで様々な悪影響を受けてしまいます。そしてやっかいなことは、本来なら噛み合わせが正常でないことにもかかわらず、長年の慣れで噛み合わせが悪いと自覚がないことです。これは何においても同じですが、本来のものと違っていても、慣れてくるとそれが自分にとって自然であるように感じてしまうのはよくあることです。
そのため噛み合わせが悪く、噛み合わせを整える必要があるにもかかわらず長年の慣れから、「自分の噛み合わせには違和感がない」と思いこんでいる方がほとんどではないかと思います。
部分矯正ができる条件とは?
では噛み合わせが悪くても、気になる前歯だけを治す部分矯正は可能なのでしょうか。その答えは「あまりお勧めではない」です。部分矯正はあくまでも前歯だけを動かし、奥歯は動かしません。あくまで気になる前歯の歯並びを治すための矯正治療であるため、適応する症例は限られてきます。
部分矯正の基本的な条件は次のとおりです。
・奥歯の噛み合わせに異常がない
・抜歯する必要がない軽度の症例
・骨格的な問題がない
・軽度の歯並びの乱れ
まず部分矯正は奥歯を動かしません。主に左右の犬歯から犬歯までの歯を動かします。使用する装置はワイヤーもしくはマウスピースとなり、動かすべき前歯に力を加えて少しずつ歯を動かします。奥歯を動かさないため、治療期間は軽度な症例で数か月から改善可能です。
部分矯正の場合、軽度な歯並びの乱れ、歯と歯のすき間、前歯のねじれ、軽度の八重歯など適応できる症例は意外と多いように思えます。これはいずれも軽度の症例であり、部分矯正だけでとてもきれいに改善できる症例と言えます。
中には全体矯正が必要と診断されたにもかかわらず、費用面などで前歯だけを動かした場合、理想とする歯並びに届かないことがあります。またそれだけでなく、噛み合わせそのものが狂い、嚙むことができなくなってしまったというケースもあります。
費用や治療期間を抑えたいのは分かりますが、奥歯の噛み合わせに問題があり、全体矯正が必要であるにもかかわらず前歯だけを動かすことで、その後の日常生活に悪影響を及ぼしてしまうこともあるのです。
部分矯正で対応できるのか、全体矯正が必要なのか診断をしっかりしてくれる医院で
自分自身では前歯だけの矯正で構わない、と思っていても、実際に矯正医に診てもらうことで全体矯正が必要と診断されることがあります。本来なら全体矯正が必要でも、希望すれば部分矯正で対応してもらえるケースもありますが、その際に起きるリスクはしっかりと理解しておくべきです。
部分矯正は前歯の軽度な乱れや矯正治療終了後の後戻り、イベントに合わせた歯並びの矯正など予定を調整しやすい治療法です。ただし後々後悔しないようにするためには、診断をしっかりとしてくれる医院で治療を受けることです。目先のことだけに捉われず、最良の結果を得られるよう医院選びは慎重に行いましょう。