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部分矯正、どこまできれいにすることができる?
気になる前歯だけをきれいに治す部分矯正は、全体矯正と比べて費用も治療期間もぐっと抑えることができるため、検討する方も多いのではないかと思います。ここで気になるのが仕上がりではないでしょうか。では部分矯正の場合、どこまできれいにすることが可能なのでしょうか。
前歯とは、どこまでを指すの?
前歯だけを動かして気になる前歯を整える部分矯正ですが、そもそも「前歯」とはどこからどこまでを指すのでしょうか。
前歯とは、3番目の歯である犬歯までの範囲を言います。正式名称では、いちばん目立つ前2本の歯を「中切歯」、その両隣の2番目の歯を「側切歯」、その隣が「犬歯」です。それ以降は臼歯と呼ばれ、それぞれ第一小臼歯、第二小臼歯、第一大臼歯、第二大臼歯と続きます。
前歯は前4本分だけを意味すると思っている方が案外多いと思いますので、犬歯までのことを指すことを覚えておくと良いでしょう。
部分矯正はどこまできれいにできる?
前歯は非常に目立つ部位のため、前歯だけでもきれいに治したい、費用を抑えたいという方には部分矯正が適しています。ここで気になるのが仕上がりではないでしょうか。
部分矯正は動かす歯の範囲が決まっており、基本的に抜歯はしません。部分矯正は比較的軽度の症例の方に向いている治療法であり、全体を動かす必要があるにもかかわらず、なんとか部分矯正で収めようとすると、思ったような仕上がりには程遠くなってしまいます。
またマウスピース矯正でマウスピースの枚数が決まっているものは、完璧な仕上がり、理想とする仕上がりに届かないことが多くみられます。部分矯正はあくまで「軽度」の症例に対し、その効果を発揮する治療法と考えられるでしょう。部分矯正でとてもきれいな歯並びを手に入れられるケースもあれば、部分矯正では思ったような仕上がりにならないケースになることもあるため、「部分矯正でどこまで治せるか」「どこまでの仕上がりを望むのか」によって変わってくるのではないかと思います。
部分矯正で動かせる範囲とは?
前歯はとても目立つ部位のため、歯並びの乱れがあるとどうしても気になってしまうと思います。前歯に起きる主な歯並びの乱れとは、ガタガタの歯並び、出っ歯、八重歯などが挙げられ、この部分だけでも治したいと思う方のニーズに沿った治療法が、部分矯正です。
部分矯正は、先ほどお話した犬歯までの歯並びの乱れを改善するための治療法です。治療法によっては小臼歯まで動かすこともありますが、部分矯正のほとんどは、犬歯までを動かして気になる歯並びを整えます。
部分矯正が可能となる症例とは?
部分矯正は、前歯だけを動かして気になる部分だけを改善する治療法であり、奥歯は動かしません。そのため部分矯正で改善できる症例は限りがあります。
軽度の出っ歯
出っ歯の中でも比較的軽微な出っ歯の場合、部分矯正によって改善することが可能です。ただし骨格全体が前へ出ているケースでは部分矯正では難しいでしょう。
軽度の歯並びの乱れ
ガタガタの歯並びでも、比較的乱れが少ないケースでは部分矯正によって改善できます。
前歯のすき間、ねじれ
正中離開と言われる、前歯の間にすき間がある歯並びも、部分矯正で改善が可能です。他の部分には問題がないのに前歯のところだけすき間があって気になる方は、部分矯正が適していると言えます。また前歯がハの字に開いてしまっているケースも、部分矯正できれいに治すことが可能です。
八重歯
チャーミングな八重歯も、お口の健康にとってはあまり良い歯並びとは言えません。八重歯も部分矯正で改善することが可能です。ただ顎が小さく、両側の側切歯が後方へ下がって見えないほどの八重歯の場合、高い確率で抜歯が必要となるため、部分矯正はできません。
矯正治療後の後戻り
いちど矯正治療をしたのに、後戻りが起きてしまった・・・そんな経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。後戻りは軽度な症例が多く、部分矯正が適応できるケースが多いでしょう。
部分矯正が出来ないケースとは?
一見すると前歯だけ動かせばいいんじゃないの?と思える症例でも、部分矯正が出来ないケースもあります。では部分矯正が出来ないケースとはどういった症状なのでしょうか。
奥歯を動かす必要があるケース
見た目の乱れが前歯だけであっても、奥歯を動かさなければいけないケースがあります。部分矯正は奥歯を動かす必要があるケースでは対応できないため、奥歯を動かさないといけないと診断されたケースでは部分矯正は難しいでしょう。
抜歯が必要なケース
部分矯正の場合、抜歯を必要とするケースでは基本的には適応できません。歯と歯が重なり合っている、歯が大きく歯列からはみ出している、顎が小さいなどといったケースは抜歯が必要となるケースがほとんどのため、部分矯正は適応外となります。
噛み合わせが変化して噛めなくなると診断されたケース
部分矯正で前歯を治した後、稀に噛めなくなってしまうケースがあります。前歯だけを動かしても、臼歯部まで動いてしまうことがあると、噛み合わせが狂ってそれまで噛めていたのが、矯正後に噛めなくなってしまうケースがあります。部分矯正をすることで噛み合わせが変わって前よりも悪くなってしまうと診断された場合、部分矯正は避けたほうが無難です。
部分矯正で治せる範囲と仕上がりの希望を確認しながら相談を
気になる前歯を、費用と治療期間を抑えて改善することができる部分矯正は、治療できる範囲が限られています。ご自身のお悩みが部分矯正で改善できるのか、またどこまでの仕上がりを希望しているかによって、部分矯正になるのか全体矯正が必要になるのかという部分で変わってきます。
気になる部分だけを部分矯正で治せるかどうか、まずは専門医のもとで相談をしてみましょう。
コラム監修者 :にしお歯科院長 西尾裕司
大阪大学歯学部を卒業後、医療法人江坂歯科医院に勤務、翌年院長に就任する。その後、大阪府の歯科医院にて 5年間勤務。その後、平成18年に「千里中央 にしお歯科(大阪府豊中市)」を開院。