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出っ歯や受け口を治すと、口呼吸も改善される?
出っ歯は前歯というとても目立つ部位であるため、コンプレックスに感じる方が大多数でしょう。また受け口も、横顔の審美面を大きく下げてしまうため、気になる方も多いと思います。この出っ歯や受け口ですが、見た目だけでなく、「口呼吸」という悪癖の原因にもなってしまいます。今回は、口呼吸がもたらす悪影響と、不正咬合との関連性や矯正で口呼吸が改善できるかについてお話いたします。
口呼吸になる原因は、鼻づまりだけではありません
本来呼吸は、鼻から吸う「鼻呼吸」が基本とされています。これに対し、口から息を吸う「口呼吸」は、様々な悪影響を与えてしまいまいます。その悪影響とは、体へ及ぼすものと、歯並びやむし歯など、お口の健康に及ぼすものが考えられます。
鼻呼吸の場合、埃やアレルギー物質などが体内に入り込む前に、鼻の中にある粘膜や毛の働きで、侵入を抑えてくれます。
ところが口呼吸は、口から取り込んだ空気をダイレクトに気管支や肺に送り込むため、細菌やウィルスが体内に入り、風邪やインフルエンザなどの感染症を引き起こしやすくなります。また冷たい空気を直に取り込むため喉や気管支を刺激し、喉の痛みといった炎症の原因になってしまうなど、口呼吸は体の健康にとって悪影響を及ぼしてしまいます。
ではなぜ、鼻呼吸ではなく口呼吸になってしまうのでしょうか。
口呼吸になる最も多い原因は、鼻づまりです。鼻がつまっていると、鼻から息を吸っても空気が気道へと入りにくくなり、口から息を吸うことになります。鼻づまりは、風邪をひいたときの他、鼻炎やアレルギー、その他鼻の疾患で起こり、鼻呼吸がし辛くなります。
しかし、口呼吸になる原因は鼻づまりだけではありません。歯並びの悪さや噛み合わせの悪さで口が閉じにくい場合、無意識に口呼吸になってしまうこともあるのです。
出っ歯や受け口、ガタガタの歯並びといった、歯並びや不正咬合は口呼吸の原因となります。鼻詰まりの症状はないのに無意識に口呼吸になっている場合、出っ歯などの不正咬合が関わっていることが多いのですが、口呼吸の原因がそこにあることに気づかないことも案外多いのです。
出っ歯や受け口が口呼吸になりやすいのはなぜ?
では出っ歯や受け口が口呼吸になりやすいのでしょうか。それは「口が閉じにくい」からです。
出っ歯の場合、歯だけ前に出ているケースと骨格全体が前に出ているケースがありますが、骨格が前に出ているケースでは、上顎全体で上の唇を前へ押し出している状態になるため、口が閉じにくくなるためです。
また受け口は、出っ歯とは逆に、下顎が前方へ出ているという骨格の問題から口が閉じにくく、口呼吸になってしまいます。口ゴボと言われる、上下のあごの骨が前方へ突出しているケースでも、口が閉じにくいということもあります。
このように、出っ歯や受け口など骨格に問題がある場合、口が閉じにくいため口呼吸になりやすいのです。
これ以外にも、口周りの筋肉の低下も口が開いてしまう原因になります。歯並びの他、加齢や子どもの頃から口呼吸が癖になっていた、などが原因として考えられます。
出っ歯や受け口は歯列矯正すると、口呼吸も改善される?
出っ歯や受け口、ガタガタの歯並びはまず見た目のコンプレックスがいちばん気になるでしょう。また前歯で食べ物が噛み切りにくい、発音しにくい、歯と歯の間に食べ物が挟まって歯肉が腫れる・・・など、機能面や歯の健康にも良くありません。
このような歯並びや不正咬合を改善するには、歯列矯正が最も有効です。
また正しい噛み合わせにすることで、口周りの筋肉の発達にも繋がります。口周りの筋肉の低下のひとつには、舌の位置も大きく関係します。出っ歯や受け口を歯列矯正で治すことにより、舌も正しい位置に収まるようになり、口周りの筋肉を鍛えることができます。口周りの筋肉が衰えると口角が下がり、たるみやほうれい線といった美容面にも関わります。口周りの筋肉を鍛えることは美容面への改善にも繋がるのです。
出っ歯や受け口を治す歯列矯正の方法とは?
出っ歯や受け口を歯列矯正で治す方法は、ワイヤー矯正かマウスピース矯正が選択肢となります。ワイヤー矯正で全体を動かすほか、目立ちにくいマウスピース矯正や、軽度な症例では部分矯正で適応が可能など、歯を動かすことで本来の歯並びや噛み合わせへと改善することができます。歯列矯正を行うことで、歯並びを治し、見た目と機能を整えます。
ただ骨格が大きく影響している、顎変形症の疑いがある場合などは歯列矯正だけでなく、手術を伴う外科矯正も選択肢となります。
歯だけが少し前へ出ている場合や歯と歯の先端がかち合ってしまう切端咬合など、軽度な症例の場合、部分矯正で治すことができることもあります。ご自身の症例をしっかり把握することと、症状に応じた矯正治療の方法について、まずは専門医に相談してみましょう。
出っ歯や受け口が歯列矯正で改善されると、口が閉じやすくなります。また舌も本来の位置に収まります。ただ歯列矯正のみで絶対に口呼吸が改善されるというわけではありません。意識して口を閉じて鼻呼吸をするよう心がけてみましょう。また寝ている間に口が開いてしまう場合、サージカルテープで寝ている間だけ口を閉じさせるようにすることも必要になるかもしれません。
口呼吸はお口の健康だけでなく体の健康や美容にも大敵です。「もしかして出っ歯だから口呼吸になっている?」など歯並びや不正咬合での口呼吸が心配な方は、いちど専門医に相談してみましょう。