トップページ > にしお歯科監修コラム|大阪部分矯正・プチ矯正ナビ > 部分矯正が適応になる条件とは?セラミック矯正とどっちがいい?
部分矯正が適応になる条件とは?セラミック矯正とどっちがいい?
部分矯正は全体矯正と比べて「治療費を抑えられる」「治療期間が短い」という大きなメリットがあり、全体矯正は無理でも部分矯正ならできそう、と希望される方も多いのではないかと思います。しかし実際に部分矯正が適応となるのは限られた症例のみであり、全ての方に該当するわけではありません。では部分矯正が適応となる条件とはどういったものなのでしょうか。またセラミック矯正との比較についても触れたいと思います。
部分矯正が適応となる条件とは?
全体矯正は治療期間が長く、費用も高くなってしまいます。そのため矯正治療を躊躇してしまうのは致し方ありません。そんな中気になる部分だけを治す部分矯正は、全体矯正のネックとなる費用と治療期間を大幅に抑えることができるため、全体矯正では無理でも部分矯正で治したいと希望する方が急増してきています。またSNSを中心として、部分矯正に対応した新しいマウスピース矯正も続々と販売されるなど、部分矯正へのニーズが高まっています。
しかし部分矯正は限られた症例にのみ対応できるため、症例によっては部分矯正ではきちんと治らず、いくつかの条件が必要になります。部分矯正が適応となる条件は、以下の4点になります。
1.症例が軽微であること
歯並びや噛み合わせの乱れには軽度なものから重度なものまで様々で、その原因も個人によって異なります。部分矯正はあくまでも「軽微な症例」に対応できる治療法であるため、抜歯を伴うような症例や骨格が原因の症例には適応が難しいと診断されます。軽度の歯並びの乱れや軽度の出っ歯、ㇵの字に開いた前歯やすきっ歯などに適応できます。八重歯は軽度なものなら部分矯正での治療が可能ですが、側切歯が後方に下がっているケースでは部分矯正では難しいでしょう。
2.奥歯の噛み合わせが正常で、移動する必要がないこと
部分矯正は、主に前歯6本を動かす治療法です。中には第一小臼歯まで動かすことができるものもありますが、基本的に前歯に対応した治療法です。部分矯正は奥歯の噛み合わせが正常な場合に適応となります。奥歯の噛み合わせが合っていないにもかかわらず、前歯だけを動かすと全体の噛み合わせにも影響してしまうことがありますので、まずは奥歯の噛み合わせが正常で、奥歯を動かす必要のないことが前提となります。
3.前歯の噛み合わせが正常であること
奥歯だけでなく、前歯の噛み合わせが正常であることも部分矯正の適応条件となります。重度の出っ歯や開咬、噛み合わせが深い過蓋咬合など前歯の噛み合わせに異常がある場合、部分矯正で治すことは困難で全体矯正が必要になります。
4.抜歯を必要としないこと
ガタガタの歯並びの場合、抜歯をして歯を動かすスペースを作りますが、部分矯正は抜歯をしないケースに限定されます。そのため、抜歯しなければいけない症例では部分矯正の適応外となります。また最近よく聞く口ゴボも、基本的に歯を抜いて全体を後方に下げることが多いため、部分矯正では難しいでしょう。
前歯だけを治すならセラミック矯正でもいいのでは・・・?
同じ前歯の歯並びを治す治療でも、セラミック矯正のほうがより安く早くできるのでは?とセラミック矯正をお考えの方もいらっしゃるのではないかと思います。
セラミック矯正とは、前歯にセラミック製のブリッジを装着し、歯を動かすことなく歯列と歯の色を整える方法です。芸能人やモデルの方たちによく見られ、白い歯と整った前歯の歯列を拝見することができます。
セラミック矯正は4~6本繋がったセラミック製のブリッジを被せることで歯の傾きやすき間を改善することができます。しかし歯をたくさん削るセラミック矯正はデメリットも多い治療法なのを案外ご存じない方も多いのではないでしょうか。
短期的な見方をすればメリットがあるかもしれないですが、将来の歯のことを考えるとあまりお勧めできる治療法ではありません。加齢や歯周病などで歯ぐきが下がってくると、ブリッジと歯ぐきの間にすき間がが生じ、むし歯になって再治療を余儀なくされてしまいます。歯の健康を失いかねないセラミック矯正は慎重に考えたいものです。
これに対し部分矯正は、歯を動かして歯列を整えるためセラミック矯正よりは治療期間が長くなります。しかしセラミック矯正のようにたくさん歯を削ることなく歯並びを整えるため、むし歯や歯周病の予防にもなり、将来的な歯の健康も考慮した治療法となることでしょう。
歯列矯正の目当ては審美面の改善ですが、歯の健康を維持しやすくなるという、とても重要なメリットがあります。セラミック矯正と迷っておられる方は、将来の歯の健康についても十分考えたうえで治療法を選択していただければと思います。