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部分矯正を考えるときに気を付けたいこととは?
気になる部分だけを短期間、低費用で治すことができる部分矯正を希望する方が非常に増えています。というのも、歯並びのコンプレックスは見える前歯に対して抱えるものであり、部分矯正は、そんな気になる前歯を低価格で治すことができるからです。しかし部分矯正は必ずしも誰でも適応できるわけではありません。最悪の場合、噛み合わせが崩れてしまう恐れがあるため、部分矯正ができるかどうかの見極めは非常に重要です。
今回は、部分矯正を考える際に気を付けるべきことについてお話をいたします。
前歯に起きやすい歯並びのお悩みとは?
歯並びのお悩みのほとんどが、前歯ではないでしょうか。前歯の歯並びについてのお悩みで多いのは、前歯のがたつき、出っ歯、ハの字に開いている、すき間がある、八重歯といった症状です。
前歯に歯並びの乱れが起きやすい原因の多くは、顎の骨の大きさに対する永久歯の大きさのバランスの悪さと骨格によるもの、小さいころからの癖によるものなどが考えられ、前歯の歯並びの乱れに繋がっています。
このような前歯のお悩みを改善するのは矯正治療であり、気になる前歯だけを治すことができるのが、部分矯正です。
前歯の歯並びの悪さをそのままにしておくと?
歯並びの悪さをそのままにしておくと、見た目だけでなくお口の健康にも影響が出てしまいます。歯並びのガタつきは見た目だけでなく、重なっている部分の歯磨きがし辛いためにプラークや歯石が溜まり、虫歯や歯周病のリスクが高まってしまいます。特に大人の方は歯周病が最も心配です。年齢を重ねるにつれ、良い歯並びの方でも歯周病が少しずつ進行してしまいます。歯並びの悪い方はそれ以上にリスクが高まり、50代60代くらいになったときに、歯周病で歯がグラグラになってしまう恐れがあります。
若い方は見た目だけが気になることと思いますが、将来的なことを考えると、見た目だけでなくお口の健康にも悪影響を及ぼしてしまうのです。
部分矯正はどんな症例に対応できる?
歯並びの乱れを治すための選択肢は、矯正治療です。ワイヤー矯正またはマウスピースといった装置を付け、少しずつ歯を動かしながら正しい位置へと改善させます。
矯正治療の基本は全体的に歯を動かすことです。全体矯正を行うことで歯並びと噛み合わせを正しく整えることができますが、費用が高くなること、治療期間が長くなることで矯正治療を行うことを迷う方も当然いらっしゃるでしょう。
特に前歯のちょっとした歯並びの乱れだけを治したい方にとっては、「前歯だけを治したいのに全体矯正はちょっと・・・」と矯正治療をためらってしまうのではないかと思います。
このように、前歯だけを治したい方向けの矯正治療が「部分矯正」です。では部分矯正はどんな症例に対応できるのでしょうか。
軽度の出っ歯
骨格が原因でない、前歯が少し出ている程度の出っ歯
軽度の叢生
前歯の重なり具合がそれほどひどくないケース
ハの字に開いている、または歯の間にすき間がある
ㇵの字に開いている、または前歯にすき間があるケース
以前矯正治療をした後に起きてしまった後戻り
以前に矯正治療を行ったものの、後戻りが起こることがあります。後戻りが起きた歯並びに対し、部分矯正で対処できることがあります。
このように、部分矯正は奥歯の噛み合わせに問題がなく、軽度の症例に対し効果を発揮する矯正治療です。
本当に部分矯正で大丈夫?部分矯正のリスクについて
気になる部分だけを低価格、短期間で改善することができる部分矯正ですが、必ずしも部分矯正で対応できるというわけではありません。特に最近では色々な部分矯正が普及し、手軽に矯正治療を始められる分リスクが大きいことも知っておかなければいけません。では部分矯正におけるリスクとは、どういったものが考えられるのでしょうか。
噛み合わせが乱れる可能性がある
部分矯正ができるのは、奥歯の噛み合わせに問題がないケースです。噛み合わせに問題があり、全体矯正が必要なケースにもかかわらず、無理に部分矯正を行ったことで噛み合わせが崩壊してしまう恐れがあります。部分矯正は奥歯の噛み合わせに問題がない症例に限ります。
奥歯の噛み合わせは治せない
部分矯正は前歯のみを治す治療法です。そのため奥歯の噛み合わせに問題があるケースでは、部分矯正では治すことができません。
理想の歯並びに近づけないことがある
ごく軽度の症例なら部分矯正でも十分きれいになります。しかし部分矯正は抜歯が必要なケースでは対応できません。抜歯が必要であるにもかかわらず、無理に非抜歯で部分矯正を行った場合、歯をきれいに並べるのに限界があり、理想とする歯並びには程遠くなってしまうことがあります。
削った歯がしみることがある
部分矯正では歯を抜かず、歯を少しだけ削って隙間を作り、歯並びを治していく方法が一般的ですが、歯を削ることでエナメル質が薄くなり、水など冷たいものがしみることがあります。
症例がほとんどない治療法で失敗する恐れがある
部分矯正のニーズが高まっている中、聞いたことのない新しいメーカーによるマウスピース矯正がたくさん開発されています。低価格だけでなく、来院しなくてもスマホなどのオンラインで治療を進めることができるなど、これまでにはない特徴を売り出しています。しかしエビデンスがほとんどない治療法では失敗する可能性があるため、慎重に考えるべきでしょう。
部分矯正ができるかどうか、よく相談して
部分矯正は気になる前歯だけを低価格、短期間で改善することができる矯正治療法です。しかし安さや治療期間の短さだけに目を奪われてしまうと、本来の歯並びに近づけることができないばかりか、再治療を余儀なくされてしまうことがあります。
矯正治療で最も大切なことは、噛み合わせを整えることです。部分矯正で失敗しないよう、部分矯正の特徴をしっかりと理解しておくことが大切です。自分の歯並びが部分矯正で対応できるかどうか、信頼ができる医師のもとでよく相談しましょう。