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過蓋咬合とは?放置すると見た目ではわからない大きな影響が!
正しい噛み合わせは、奥歯で噛んだ時に上の前歯が下の前歯を2~3ミリ覆った状態を言います。ところが、奥歯で噛んで笑ったときに、上の前歯が下の歯をすっぽり覆って下の歯がほとんど見えない噛み合わせを「過蓋咬合」と言います。
出っ歯や受け口と比べると目立つ印象がない過蓋咬合ですが、そのままにしておくと、お口の健康に影響が出てしまいます。では過蓋咬合をそのままにしておくことで、どのような影響が出てしまうのでしょうか。
過蓋咬合とは?
過蓋咬合とは、奥歯で噛んだ時に上の歯が下の歯が見えないくらいすっぽりと覆ってしまうほど噛み合わせが深い、不正咬合の一種です。歯並びがガタガタでなく、一見すると「どこが悪いの?」と思っても、噛み合わせが深すぎることでお口の健康に悪影響を与えてしまいます。
本来なら上の前歯が下の前歯を2~3ミリ覆っています。ところが噛み合わせが深い過蓋咬合の場合、下の歯をほとんど覆っている、あるいは完全に覆って唇を噛んでいるように見えます。
過蓋咬合の原因は?
では過蓋咬合になる原因はどこにあるのでしょうか。まず過蓋咬合になる原因についてあげてみましょう。
1.奥歯がひどいむし歯、あるいは抜けたまま放置した
奥歯の高さに問題があるために起こりやすい過蓋咬合の大きな原因のひとつとして、奥歯がひどいむし歯になって歯の高さが足らなくなってしまったということがまず考えられます。むし歯は酸によって歯が溶けていくため、むし歯をそのまま放置した結果、歯がほとんど溶けてなくなってしまったため高さが足らなくなって噛み合わせが深くなったということが考えられます。
また奥歯が抜けたまま長い間そのままにしておくことで噛み合わせが深くなることがあります。
2.骨格によるもの
上下の顎と歯の高さのバランスが崩れている場合や、成長途中に何らかの原因で顎の成長がうまくいかなかったなど骨格的な問題が過蓋咬合を引き起こすことがあります。
3.早くに乳歯が抜けてしまった
ひどいむし歯や外傷などにより、本来の時期を待たずに乳歯が抜けてしまった場合、あとに生えてくる永久歯が正しい位置に生えてこない可能性があり、噛み合わせが深くなってしまうなどの影響が出てしまいます。
4.前歯に問題がある場合
中には前歯が過剰に成長して前歯が長くなってしまった、あるいは大きすぎる場合も前歯の噛み込みの深さに関わることがあります。
過蓋咬合が与える悪影響とは?
では噛み合わせが深い過蓋咬合になると、いったいどういった悪影響を受けてしまうのでしょうか。次に過蓋咬合がお口の健康に与える悪影響をご紹介します。
奥歯に負担がかかる
過蓋咬合は噛み込みが深いため、上下の奥歯が強く当たり、奥歯にダメージが加わってしまいます。その結果、歯がすり減る、欠ける、噛み合わせが悪く痛みを感じるなどの症状が出てしまいます。
被せ物が外れやすくなる
奥歯に銀歯やブリッジなどの被せ物が入っている場合、噛み合わせが深くなることで被せ物が外れやすくなってしまいます。また前歯の差し歯においても下の歯が上の前歯に強く当たってしまうので、被せ物が取れやすくなります。
歯ぐきや唇が傷つきやすくなる
過蓋咬合は奥歯だけ噛み合わせが深いわけではありません。前歯の噛み合わせも深くなります。前歯の噛み合わせが深くなると上の前歯が歯ぐきや下唇に当たり、粘膜に傷をつけ、炎症を起こしてしまう恐れがあります。
出っ歯になる恐れがある
それまで出っ歯になっていなかった方も、過蓋咬合をそのままにしておくことでだんだんと出っ歯になる恐れがあります。と言うのも、下の前歯が上の前歯に当たり、前方へ押し出してしまうからです。歯は持続的に力を加えることで歯が動きますが、過蓋咬合によって歯が前へ動いて出っ歯になるという、最悪のパターンです。
顎関節に負担がかかる
過蓋咬合は顎関節の動きを制限してしまうため、顎関節に負担がかかって顎関節症になる恐れがあります。顎関節症になると口が開きにくい、顎が痛いなど日常生活に多大な影響が出てしまいます。
過蓋咬合は治すべき!
過蓋咬合は噛み合わせが深い分、お口の中に様々な悪影響を与えてしまいます。今現在それほど気にならないという方も、遠くない将来に歯や顎関節に影響が出てくる可能性が高まります。
また奥歯に負担がかかると将来的に歯がすり減るだけでなく、歯が割れてしまうなど歯を残すことができなくなることも考えられます。大切な歯を長持ちさせるためにも、できる限り早いうちに改善することを考えたほうが良いでしょう。
過蓋咬合はワイヤー矯正やマウスピース矯正で改善できる可能性があります。歯は年齢重ねるほど動きが悪くなりますので、過蓋咬合かな?と思った場合は早めにかかりつけ医に相談されることをお勧めします。
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コラム監修者 :にしお歯科院長 西尾裕司
大阪大学歯学部を卒業後、医療法人江坂歯科医院に勤務、翌年院長に就任する。その後、大阪府の歯科医院にて 5年間勤務。その後、平成18年に「千里中央 にしお歯科(大阪府豊中市)」を開院。