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部分矯正で噛み合わせを治すことはできる?
全体矯正と比べると、短期間で費用を抑えて気になる部分だけを治すことができる部分矯正が気になる方は多いのではないでしょうか。前歯の歯並びを治すだけでも、見た目の印象はぐっと変わりますが、部分矯正で噛み合わせを治すことはできるのでしょうか。
噛み合わせの重要性について
ガタガタの歯並びや出っ歯が気になっていても、噛み合わせまで気になる、という方はどれほどいらっしゃるでしょうか。見た目の悪さはすごく気になるけど、噛み合わせはあまり気にしたことがない、という方が大多数ではないかと思いますが、正しい噛み合わせは、体の健康にとってとても重要です。ちょっとした噛み合わせの乱れでも、体の不調につながることがあります。では噛み合わせはなぜ重要なのでしょうか。噛み合わせが悪いと正しい咀嚼ができず、以下のような症状が起こりやすくなります。
・胃腸に負担がかかる
噛み合わせが良いと、しっかりと噛んで唾液を分泌することができるため、消化吸収を助けます。またよく噛むことによって、胃液もしっかりと分泌され、食べたものがきちんと消化しやすい状態になります。しかし噛み合わせが悪いくしっかりと噛めないと、唾液や胃液の分泌が減り、消化を悪くしてしまって胃腸に負担がかかりやすくなります。
・肥満
肥満は早食いから、とよく言いますが、噛み合わせが悪くてしっかりと咀嚼できずに、次々と食べ物を口へ運ぶことにより、満腹中枢がなかなか機能しません。正しい噛み合わせでよく噛んで食べることは、満腹中枢を刺激して食べ過ぎを防止してくれます。
・むし歯や歯周病リスク
噛み合わせが悪く、よく噛めない状態が続くと、やがて唾液の分泌が減ってしまいます。唾液は虫歯菌や歯周病菌などといった、お口の健康にトラブルを引き起こす細菌を洗い流す作用がありますが、唾液の分泌が減ると、細菌の活動が活発化します。また食べ物が挟まりやすく、磨き残しが多くなってむし歯や歯周病のリスクが高まります。
・口周りの筋肉の発達への影響
噛み合わせの影響で、口周りの筋肉の発達に影響が出てしまうことがあります。噛みにくい部分で噛むことができないと、どうしても噛みやすい部分でばかり噛んでしまいます。その結果、口元の筋肉の発達に影響が出てしまい、口元の見た目のバランスが悪くなってしまいます。
自分では分かりにくい、噛み合わせの悪さ
ご自身で噛み合わせが悪いかどうか、分からないというのはびっくりするようなことではありません。咀嚼するのに特に不自由を感じていなければ、たとえ噛み合わせが正常でなくとも、自分では噛み合わせが悪いとは分かりにくいものだと思います。噛み合わせに慣れて、噛みにくいとか顎が痛くなる、という症状が出ない限り、分かり辛いのではないでしょうか。
極度の出っ歯や受け口、オープンバイトなどの不正咬合の場合、ご自身で噛み合わせの悪さを感じている方がほとんどですが、それ以外の場合は自分では噛み合わせが合っていない、と感じていない方が大半でしょう。
この自分では気づいていない噛み合わせの悪さが、将来の歯やお口、体の健康へ影響を与えてしまうことがあるのです。
部分矯正では噛み合わせは治せるの?
歯並びや不正咬合は矯正治療で改善が可能です。しかし、矯正治療は自費治療となるためどうしても費用や治療期間がかかってしまいます。そこがネックとなり、矯正治療を諦める方もいらっしゃるのではないかと思います。
そういったハードルを払しょくするのが、気になる部分だけをきれいに治す部分矯正です。部分矯正なら、全体矯正と比べて費用や治療期間をグッと抑え、目立つ前歯の歯並びの悪さを改善することができます。
では部分矯正では噛み合わせを治すことはできるのでしょうか。
噛み合わせの悪さが全体に目立つ場合、奥歯からしっかりと動かす必要があるため、部分矯正では改善できません。また重度の受け口やオープンバイト、骨格が原因の出っ歯なども、前歯を動かすだけでは噛み合わせを治すことは困難のため、全体矯正が必要となります。
また無理に非抜歯で前歯だけを動かしたため、逆に前歯で噛めなくなった、という例もあります。
しかし、部分矯正では絶対に噛み合わせは治せない、と断言することはありません。部分矯正は、軽度の症例に対応できます。例えば軽度の出っ歯や八重歯などを部分矯正で治して、前歯の噛み合わせも整えることができることもあります。抜歯をせず、奥歯を動かす必要なく前歯を部分矯正したことで、自分では気づかなかった噛み合わせを得るメリットもあります。
こういったことをから、部分矯正で前歯の噛み合わせを整えることができるかどうか、まずは診断してもらうことが必要になります。
歯列矯正は、歯並びの悪さとともに、噛み合わせを正しく整えることを目的とした治療です。ご自身の歯並びや噛み合わせはどのような状態なのか、また全体矯正が必要か部分矯正で対応ができるかどうかなど、まずは専門医のもとで相談してみましょう。