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部分矯正でも八重歯は治せるの?
一見すると可愛らしい印象を与える八重歯は、実は見た目だけでなく口腔機能にあまり良い影響を与えません。八重歯を矯正治療で改善することで見た目だけでなく、お口の機能も改善することができますが、部分矯正で治すことはできるのでしょうか。
八重歯は犬歯とは違うの?
まず八重歯と犬歯についてお話をいたします。犬歯=八重歯と思われる方は多いのではないでしょうか。これは実は誤った認識であり、犬歯=八重歯ということではありません。犬歯は歯の名称、八重歯は歯並びの状態のことを言います。
まず犬歯ですが、犬歯は前から3番目の歯で、少し先端が尖っており、犬の歯のような形状から犬歯と呼ばれるようになったと言われています。またよく呼ばれる言い方として、糸切り歯と呼ばれることもあります。
いっぽう八重歯は「歯と歯が重なって並んでいる状態」を言い、「鬼歯」と表現されることもあります。八重歯は犬歯と2番目の歯が重なって八重歯の状態になることが非常に多いです。
まずは、八重歯と犬歯は異なることを理解しておきましょう。
八重歯になる原因とは?
ではなぜ八重歯になってしまうのでしょうか。八重歯は片側だけに生じるものもあれば、左右両方に生じてしまうこともあります。正しい歯列では、八重歯になることはありません。八重歯になるのは、犬歯が2番目の歯と重なってしまうからです。では犬歯が2番目の歯と重なって八重歯になってしまうのはなぜでしょうか。
1.永久歯が並ぶスペースが足らないため
八重歯になる最も多い原因が、永久歯列のスペース不足です。顎が小さいと永久歯が本来の正しい歯列に並ばず、乱れてしまいます。特に犬歯はいちばん最後に生え変わる歯のため、顎が小さいとどうしてもスペースが足らず、歯ぐきの上のほうから生えて八重歯となってしまいます。
2.歯が大きいため
顎の大きさに対して歯が大きいと、犬歯の並ぶスペースがなくなり八重歯となってしまいます。特に前歯が大きいと、必然的にスペース不足になり、八重歯になってしまいます。
3.口呼吸のため
口呼吸はガタガタの歯並びや出っ歯になりやすいことでよく知られていますが、八重歯になる原因でもあります。
八重歯は治したほうがいい?
芸能人でも八重歯があると可愛らしく見えますよね。確かに八重歯はとてもチャーミングな印象を与えますが、歯の健康にとっては良い影響を与えません。その理由として、次のようなことが挙げられます。
・むし歯や歯肉炎、歯周炎の原因になりやすい
犬歯と2番目の歯が重なっていると非常に歯磨きがし辛くなります。そのため汚れが残りやすく、プラーク化して細菌の温床となります。プラークに虫歯菌や歯周病菌などが棲みつくと、むし歯や歯ぐきの腫れを引き起こす歯肉炎、歯肉炎が悪化した歯周炎になり、歯や歯ぐきのトラブルを引き起こしてしまいます。
・唇などの粘膜を噛みやすい
八重歯があることで唇や内側の粘膜を噛んでしまい、傷つけることがあり、その傷から口内炎になってしまうことがあります。
・噛み合わせがズレてしまう
八重歯があるということは、全体的な噛み合わせがズレている可能性があります。噛み合わせがズレると噛み辛い、肩が凝るなど様々な不定愁訴に繋がります。
八重歯は部分矯正で治せる?
八重歯をそのままにしておくと、審美面だけでなくお口の健康機能にも影響が及んでしまいます。八重歯は矯正治療できれいに改善することができますが、全体的な矯正は費用が高いので、部分矯正で治せるなら治したい、とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
部分矯正で改善可能な症例も
基本的に部分矯正は「ごく軽度の症例」「抜歯を伴わない症例」「噛み合わせが悪くならない症例」に適応する治療法です。
抜歯の必要がなく、八重歯の度合いがごく軽微な場合、部分矯正で改善することができます。部分矯正は全体矯正と比べて費用も治療期間もぐっと抑えることができます。
八重歯の部分矯正の治療法は、ワイヤー矯正およびマウスピース矯正があります。特にマウスピース矯正は透明で目立ちにくく、食事や歯磨きが行いやすいというメリットのほか、ホワイトニングも行えることから人気を集めています。ご自身の八重歯が部分矯正ができるかどうかカウンセリングで相談してみましょう。
抜歯が必要、全体的に顎が小さいケースでは全体矯正が必要
しかし、2番目の歯が犬歯で見えないほど後方へ下がっているケースや八重歯以外の歯もガタガタ、明らかに顎が小さく歯が大きいケースでは、抜歯が必要になるかもしれません。部分矯正は抜歯を伴う症例では適応できませんので、全体矯正が必要になります。
抜歯をする歯は基本的に第一小臼歯か第二小臼歯です。八重歯を改善するからといって、犬歯を抜くことはほとんどありません。犬歯は歯の機能としてとても大切な役目を持っているため、基本的には小臼歯を抜歯します。
明らかに抜歯が必要なケースで抜歯をせず、スペースが足らないまま矯正治療を進めてしまうと、八重歯がきれいに改善されにくいばかりか、全体的に出っ歯になり、審美面が大きく下がってしまうこともあります。ご自身の八重歯の状態をよく理解し、最も良い方法で治療を進めることが大切です。
矯正治療や部分矯正で八重歯が改善されることで審美性の向上、口腔機能の向上が期待できます。見た目はもちろん、むし歯や歯周病のリスクを軽減できるというメリットを持ち合わせています。八重歯が気になる方は、いちどカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。