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加齢とともに悪くなってきた歯並び、部分矯正で治すことはできる?
年齢を重ねるごとにお口の中の状況も変化が起こります。歯周病はその代表ですが、それだけではありません。歯並びや噛み合わせがいつの間にか悪くなり、若い頃と比べて口元にコンプレックスや違和感を抱くようになった、という方も少なくはないでしょう。今回は、加齢とともに悪くなる歯並びの原因と、改善法についてお話をいたします。
成人後も歯並びって変化するの?
思春期や成長期と呼ばれる時期は、身長や体重などが大きく変化する時期でもあります。同時に顎の骨や顔面の骨も成長する時期でもあり、歯並びや噛み合わせを改善するのに適した時期でもあります。そして成長が止まる時期を迎えると、歯並びや噛み合わせもほぼ決まります。
しかし、成人後も歯並びや噛み合わせが全く変わらないかといえば、実はそうではありません。状況によっては、歯並びや噛み合わせが少しずつ変化し、若い頃と比べて歯並びが悪くなってきた、噛み合わせが変わってきた気がするけど気のせい?と感じることがあるとすれば、それは気のせいではなく、実際に変化が起きていると考えられるのです。
加齢とともに歯並びが悪くなる原因とは?
加齢とともに歯並びや噛み合わせが悪くなる原因には、次のようなことが考えられます。思い当たることはありませんか?
1.頬杖や舌の癖などの悪癖
子どものころは正しい姿勢で過ごしていたはずが、大人になって頬杖をついて本を読んだりテレビを見たりする習慣になってはいませんか?頬杖をついている間、手の力が歯に加わり歯が動く原因になります。また顎の骨が歪むこともあり口元の歪みや噛み合わせの悪さなどにつながります。
舌で無意識に歯を押す癖がある場合も、歯並びの乱れに繋がります。歯は動く性質があるため、成長期が終わっても歯に力を加えると歯並びに変化が起きてしまいます。
2.歯周病
加齢とともに歯周病のリスクは上昇し、ご自身では気が付かない間に症状が進行してしまっている可能性があります。歯周病が進行すると歯を支える歯槽骨が吸収され、次第に歯が揺れ動き始めます。このため噛み合わせが変わったと感じてしまうことがあり、実際に歯の向きが変わったりしていることもあります。歯周病による歯並びの変化や噛み合わせもですが、歯周病そのものに要注意です。
3.歯ぎしり、食いしばり
歯ぎしりや食いしばりは無意識に行われるものであり、お口の中に悪影響を及ぼします。歯がすり減ったり歯が割れたりするリスクのほかに、歯ぎしりをすることで歯に過度な力が加わり、歯が動いてしまうことも考えられます。
4.歯を失った部分をそのままにしている
むし歯や歯周病、アクシデントなどで歯を失ってしまった場合、早急に補綴治療を受けなければいけません。というのも、歯は失った部分へ傾斜する動きがあるからです。失った部分をそのまま放置しているとだんだんと歯が傾斜し、噛み合わせも狂ってきます。
5.親知らずの影響
子どものころはなかった親知らずが、成人して生えてくると、歯並びが悪くなることがあります。特に横向けで歯ぐきに埋まったままの親知らずを水平埋伏歯と言いますが、横たわった親知らずが隣の歯の根っこを押し、歯並びを乱すことがあります。親知らずの生える時期は個人差があり、成人後すぐに生えてくる人もいれば、数十年経ってから生えてくるといった人もいます。
加齢とともに悪くなった歯並び、部分矯正で改善できますか?
加齢とともに変化した歯並びや噛み合わせは、そのままにしておくとむし歯や歯周病の悪化、顎関節症など深刻な症状を引き起こしてしまう可能性が高まります。
乱れた歯並びや噛み合わせを改善するには矯正治療が最も有効ですが、気になるのが治療法ではないでしょうか。悪くなった歯並びを治したいけど、大掛かりな治療はちょっと・・・と思う方は、部分矯正という方法で改善することが可能です。
部分矯正は、前歯に特化した矯正治療で、軽度の歯並びの乱れに対応できます。奥歯の噛み合わせに大きな問題がなく、軽度の症例であればワイヤー矯正、マウスピース矯正どちらも対応が可能なため、ライフスタイルに応じて矯正装置を決めると良いでしょう。
しかし、抜歯を必要とするほどの歯並びの乱れや受け口、オープンバイトといった不正咬合は部分矯正では対応ができず、全体矯正が必要になります。
矯正治療は年齢を問いません
加齢とともに歯並びや噛み合わせが悪くなってしまった方の中には、矯正治療をしたいけど歯列矯正は子どもや若い人がするもの、と思う方もおられるのではないかと思います。
しかし、矯正治療は年齢を問わず治療を始めることができます。もう年だから、とあきらめる必要はありません。50代や60代でも矯正治療を始められる方はたくさんおられますので、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
ただ気を付けなければいけないのは、歯周病です。歯周病が悪化すると歯を支えるための歯槽骨が吸収されてしまいます。矯正治療は装置をつけて歯を動かすため、一時的に歯がぐらぐらすることがありますが、お口の中が健康な状態であればそれほど心配をする必要はありません。ところが歯周病が悪化している場合、歯槽骨の吸収も少なからず起きていることが考えられます。矯正治療や部分矯正を行う前に、歯周病治療を行い、改善をはかりましょう。
また頬杖や舌癖などの悪癖はそのままにせず、意識して直すように心がけることも大切です。
年齢を重ねていることで矯正治療をあきらめることはありません。まずは治療が可能かどうか、矯正の専門医やかかりつけの先生に相談してみましょう。