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金属アレルギーがある場合の矯正装置について
歯並びや噛み合わせが悪く、矯正治療をお考えの方の中には、金属アレルギーをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。金属アレルギーがあると、皮膚だけでなく体の健康にも影響が出てしまうため、歯科治療においても金属を使った素材は避けなければいけません。では金属アレルギーがある場合、矯正装置はどのようにすべきなのでしょうか。
基本的にはマウスピース矯正ですが・・・
金属アレルギーを引き起こす歯科素材はいくつかあり、ワイヤー矯正に使用される素材も金属アレルギーが含まれています。そのため、金属アレルギーをお持ちの方の矯正治療は、基本的にマウスピース矯正が選択肢となることがほとんどです。
インビザラインやアソアライナー、その他のマウスピース矯正に使われるマウスピースの素材は、ポリウレタンです。インビザラインの場合、スマートトラックという素材が使われており、より弾力性と密着性に優れた素材が使われています。
マウスピースの素材であるポリウレタンは金属素材は一切含まれていません。そのため金属アレルギーをお持ちの方でも安心して使用できます。
ただマウスピース矯正の場合、適応できる症例がワイヤー矯正よりもやや少ないため、症例によってはマウスピース矯正では理想とする歯並びへ到達しないこともあります。
特に抜歯が必要な症例においては、マウスピース矯正でも治らないことはありませんが、ワイヤー矯正のほうが確実に治る可能性が高いです。骨格が原因の不正咬合も、マウスピース矯正よりワイヤー矯正のほうが適していると診断されることがほとんどです。
外科矯正が必要と診断された方も、外科手術前後の矯正治療はワイヤー矯正のみとなります。外科矯正は保険適用となりますので、マウスピース矯正は保険外になってしまうためです。
このように、マウスピース矯正では改善が難しい、理想とする歯並びにはならないかもしれない、外科矯正はマウスピース矯正は適応外などと言われることもあるのです。
部分矯正や軽度の症例、抜歯をしなくてもきれいに改善できると診断された場合は、マウスピース矯正が安心して治療を受けて頂けるでしょう。
ワイヤー矯正はどんな素材でできているの?
ではワイヤー矯正はどのような素材からできているのでしょうか。
ワイヤー矯正主にはブラケット、ワイヤー、結紮線などから成り立っています。それぞれについて見てみましょう。
ブラケット
ブラケットは、歯の表面に付ける小さな部品です。素材は金属でできているメタルブラケット、セラミックやプラスチックで作られている審美ブラケットがあります。メタルブラケットは費用を抑えられますが、かなり目立ってしまうため最近では審美ブラケットを使用する医院が多くなっています。また審美ブラケットは金属アレルギーにも対応ができます。
ワイヤー
ワイヤーは、ブラケットにアーチワイヤーと呼ばれる細いワイヤーを言います。素材はニッケルチタンワイヤー、ステンレスワイヤーになります。このワイヤーを調整することで歯を少しずつ動かしていきます。
ワイヤーの素材も金属ですが、ホワイトコーティングが施されたものもあり、審美ブラケットと併せると、より審美性が向上し目立ちにくくなります。
ただホワイトワイヤーはコーティング剤が剥がれてくると金属がむき出しになってくるため、金属アレルギーをお持ちの方はコーティングが剥がれた部分にアレルギー症状を引き起こさないかどうかという懸念点が残ります。
結紮線
結紮線とは、ブラケットにメインワイヤーを結びつけるための細いワイヤーのことを言います。金属素材のため金属アレルギーがある方は、ゴム結紮を使うことでリスクを避けることができます。
このように、ワイヤー矯正は基本的に金属でできているものが多く、金属アレルギーがある方にとっては選択するのが難しいかもしれません。
金属アレルギーがある方は、専門家とよく相談すること
医院によっては比較的アレルギーが出にくい、チタンを使ったワイヤーを用いて治療をするところもあるようです。チタンはインプラントの素材としても使われており、生誕親和性に優れているのでアレルギーがある方も適応できると言われています。
しかしチタンでもアレルギーが出る場合、ブラケット矯正ではなくマウスピース矯正で治療をすすめていくことになります。
できれば部分矯正や抜歯を必要としない、軽度の症例の方はマウスピース矯正で治療をするほうが安心です。なお裏側矯正の装置の場合、必ずニッケルが含まれているため金属アレルギーの方は裏側矯正はやめておいた方が賢明です。
ただ歯科治療における金属アレルギーは突然発症するというよりは、お口の中にある金属素材が原因の場合もあります。例えばアマルガムといった、古い詰め物がお口の中に入っていることはありませんか?お口の中にある歯科素材が知らない間に金属アレルギーを引き起こしてしまう可能性もあります。
矯正治療をお考えで金属アレルギーが気になる方は、皮膚科でパッチテストを受け、矯正治療の際に金属アレルギーについても相談をしてみて下さい。