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抜歯をしない部分矯正で、Eラインは改善できないでしょうか?
歯並びや噛み合わせの乱れは、口元の審美面を大きく乱してしまいます。また歯並びの悪さは、横顔にも影響を与えてしまいます。横顔の美しさを表す言葉を「Eライン」と呼んでいますが、歯並びや噛み合わせの悪さによっては、このEラインを大きく乱してしまいます。
Eラインの乱れは矯正治療で治すことができますが、抜歯を行わない部分矯正でEラインを改善することはできるのでしょうか。
Eラインとは?
Eラインとは、正しくは「エステティックライン」と言われており、横顔の美しさを表す言葉です。エステティックラインは、鼻から顎の先端を結ぶ線のことで、上下の唇がこの線の内側に触れずに収まっていることが理想的な美しい横顔という指標です。
ただ日本人やアジア人は鼻が高い欧米人と骨格が異なるので、Eラインに触れるくらいが美しい口元とされています。
日本人でも美しいと言われる女優さんやモデルの方の横顔を見ると、口元が突出せず、Eラインが美しいことが分かると思います。
Eラインを乱す歯並びや噛み合わせとは?
では横顔の美しさを表すEラインを乱し、コンプレックスの原因となる歯並びにはどんな種類があるのでしょうか。歯並びや噛み合わせの乱れにはいろいろな種類がありますが、特にEラインを乱す歯並びを挙げてみましょう。
①出っ歯
出っ歯は、上の前歯が前方へ突出している歯並びで、Eラインを乱す最も多い歯並びと言えます。出っ歯には、遺伝など骨格が原因のものと、指しゃぶりや舌を前へ突き出すなどといった悪癖が原因のものがあり、いずれも横顔の審美面を大きく低下させてしまいます。
出っ歯でお悩みの方はとても多いと思います。そのままにしておくと、虫歯や歯周病になりやすいと言われています。また口が閉じにくいため口腔内が乾燥し、口臭の原因になるなど見た目だけでなく、お口の中のトラブルにも繋がってしまいます。
②受け口
受け口も、Eラインを大きく乱す噛み合わせです。通常は上の前歯が下の前歯を覆いますが、受け口は下の前歯が上の前歯を覆うため、下顎が前へ出てしまっています。そのため横から見たときに下唇が突き出ており、Eラインは当然乱れてしまいます。受け口の方は横顔のコンプレックスが非常に強いと言えるでしょう。
受け口は審美面だけでなく、お口の健康に悪影響を与える噛み合わせです。奥歯の噛み合わせがズレているため顎の動きが制限され、顎関節に負担をかけてしまいます。そのため将来的に顎関節症のリスクが高まってしまいます。また咀嚼しにくい、発音が不明瞭など、審美面だけでなく日常生活にも影響が出てしまいます。
③口ゴボ
口ゴボは正式な病名ではありません。正しくは「上下顎前突」と言い、上下の顎が前方へ出ている状態を指します。上下の歯が前へ出ていることで口元の突出感が目立ち、Eラインを大きく乱してしまいます。
歯並びそのものは悪くなく、顎だけが前へ出ているタイプ、上の歯が出っ歯なうえ、下の顎も前方へ出てしまっているケースなど、口ゴボの原因はひとつではありません。下唇の下に梅干しのようなシワができてしまいやすいのも、口ゴボの特徴です。
最近ではこの口ゴボに悩む方が非常に多いのが特徴です。
Eラインを整えるには抜歯が必要?
Eラインを乱す歯並びや噛み合わせをご紹介しましたが、これらの症状は矯正治療で改善することが可能です。しかし歯並びの状態によっては、抜歯をしなければならないケースがあります。
矯正治療における抜歯の代表といえば、まず親知らずが挙げられます。親知らずは別になくても問題はない歯です。そのため親知らずがなくても問題がないと判断された場合、抜歯することがほとんどです。親知らずを抜歯することで歯を動かすスペースを確保し、奥歯を動かして全体的な噛み合わせを後方に下げることができるため、口元がスッキリしてEラインが整います。
親知らずがない場合、小臼歯と呼ばれる前から4番目か5番目の歯を抜歯することがあります。特に出っ歯やデコボコの歯並びの場合、小臼歯を抜歯してスペースを作り、歯を動かして歯並びを整えます。
Eラインを整えるということは、顔貌を改善することになります。そのため抜歯をするケースがほとんどであると考えてよいでしょう。
部分矯正でEラインは整えられる?
では部分矯正ではEラインを整えることができるのでしょうか。部分矯正は気になる前歯を改善するという矯正治療です。出っ歯やハの字に開いた前歯、すきっ歯などは部分矯正できれいに改善することはできますが、Eラインは噛み合わせ全体を後方へ下げることが必要になりますので、抜歯をせず、前歯だけを整える部分矯正ではEラインの改善は難しいでしょう。
しかし前歯が出ているためにEラインを乱している場合などは、抜歯をせず前歯の歯並びだけを整えることで口元がスッキリし、横から見た口元の審美面を回復させることは可能です。
Eラインは気になるけど、部分矯正で少しでも改善できれば、とお思いの方はまず部分矯正でどこまで治せるかを専門医に相談してみましょう。部分矯正で出っ歯を治すだけでも見た目ががらりと変わります。
部分矯正は、抜歯をして奥歯全体を後方へ下げる全体矯正に比べると改善できる部分に制限がありますが、まずはご自身の歯並びや噛み合わせがどのような状態か、抜歯は必要かどうか、部分矯正でどこまで改善できるかなど、専門医に相談することで最善の治療法を見つけましょう。
コラム監修者 :にしお歯科院長 西尾裕司
大阪大学歯学部を卒業後、医療法人江坂歯科医院に勤務、翌年院長に就任する。その後、大阪府の歯科医院にて 5年間勤務。その後、平成18年に「千里中央 にしお歯科(大阪府豊中市)」を開院。