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歯列矯正装置による痛みやトラブルとは?痛みは歯が動いている証拠かも!
矯正治療を行うにあたり、絶対に必要なことは「矯正装置」です。矯正装置には色々な種類がありますが、矯正装置を装着して歯を動かし、歯並びを整えていきますが、矯正治療は若干痛みを伴うことも事実です。今回は矯正治療に伴う痛みとトラブルについてお話をいたします。
歯が動く仕組みとは?
歯並びを整えるためには歯を正しい位置に並ばせるためのスペースが必要です。そこにできたスペースに歯を移動させるために矯正装置をつけるのですが、まずはどうやって歯が動くのかについてご説明しましょう。
歯の根の周りには「歯根膜」という薄い膜があり、噛んだ時の衝撃を和らげるクッションのような役割を持っています。この歯根膜には常に一定の厚みを保とうとする性質があり、歯列矯正は歯根膜の性質を利用して歯を動かし、歯並びを整えます。矯正装置を付けて引っ張られると、その力が歯根膜に伝わります。装置によって力がかかると歯が動く方向側の歯根膜が縮み、反対側の歯根膜は引っ張られて伸びます。縮んだほうの歯根膜は骨を溶かす「破骨細胞」という細胞を作り、動く方向側の骨を吸収します。
反対側の伸びたほうの歯根膜は骨をつくる「骨芽細胞」という細胞が作られ、骨を新しく作ります。このように、矯正装置によって歯を引っ張ると骨を溶かす細胞と骨を新たに作る細胞が働くことで歯が少しずつ動いていくのです。
痛みは歯が順調に動いている証拠
床矯正やワイヤー矯正、マウスピース矯正などは、ねじを巻いたり調整をしたり、決められた日数ごとに新しいマウスピースに取り換えることで歯が少しずつ動きます。調整後やマウスピース交換後などに痛みを感じることがありますが、ほとんどの場合4~5日中に治まります。もし痛みが我慢できないようであれば、痛み止めを飲んで様子を見るとよいでしょう。
矯正装置が粘膜に当たって痛いことも
矯正治療に伴う痛みは、矯正装置が歯ぐきや粘膜に当たることで痛みを感じることもあります。痛みがある部分が口内炎になると食事も辛いでしょう。装置が当たって痛い場合は、早いうちに担当医に相談して下さい。そのまま我慢すると、日常生活にも影響が出てしまいます。
矯正治療は治療期間が長くなります。部分矯正は全体矯正に比べると比較的治療期間が短く済みますが、歯が移動する痛みは少なからず感じます。歯科医院によっては痛みを感じにくい装置を使っているところもあります。またお伝えしたように、矯正装置による傷や口内炎などが起きることもありますので、不安に感じることがあれば遠慮なく担当医に相談してみて下さい。
コラム監修者 :にしお歯科院長 西尾裕司
大阪大学歯学部を卒業後、医療法人江坂歯科医院に勤務、翌年院長に就任する。その後、大阪府の歯科医院にて 5年間勤務。その後、平成18年に「千里中央 にしお歯科(大阪府豊中市)」を開院。